
保護犬
うちで飼っていたシーズー犬 (名前はシーズ)ですが、亡くなる2.3日前に、異常な行動を始めました。
この子はもともと保護犬で、「飼育放棄などで捨てられたのではないか」と聞きました。我が家に来たときも決してきれいな毛並みではなく、ストレスなのか脱毛も所々ありました。
人間に対しても敵意をむき出しにする程でしたが、徐々に慣れて食事も、散歩も引き取って一年くらいすれば楽しみにしてくれている様でもあり、毛並みも徐々に綺麗になっていきました。ただ始めが何度も心が折れかけました。
子犬では無く成犬だった為に、しつけも時間かかる作業でした。その分愛着もひとしおで、我が家の子供同等の扱いです。

年齢不詳の老犬
正確な年齢はわかりませんが、動物病院で大体の年齢は聞いていました。
誕生日も我が家に来た日にちを祝うようにし、途中子供の動物アレルギーがわかって飼育環境を変えたりと大変でしたが、毎日が充実していた様に思います。
衰えていく身体
そんな我が飼い犬ですが、年齢には勝てず、老化現象も出てきます。
日によっては食事も残す様になり、病院で診てもらっても、悪いところは無く・・・と言われれば現実的に最期のことも考える様になります。
沈んだ気持ちで自宅に連れて帰り、これといった治療もなく途方に暮れていました。
これではダメだといつも通りに日常を過ごし、散歩も食事もいつも通り。
いつもと違うのは散歩の帰り道は抱き抱えて帰ることと、食べる量がどんどん減ってしまってること。
そんな日が何日続いたでしょうか?
お迎え現象
ある週末の昼過ぎでした。
朝は最近いつも眼を開けて辺りを見渡していますが、身体はほとんど動かさない状態で、また長い1日の始まりの予定でした。
風邪をひいていた子供の調子も良くなく、しかも2、3日前から熱を出しており、小児科でもらってきた薬も飲んだ瞬間、食べた物と一緒に吐いてしまう状態。
ところが昼過ぎた辺りから動き回る気配を感じたので様子を見に行くと、珍しく起き上がり北の方角の壁に向かってただボーッと眺めているのです。
壁に何かあるのかと見に行きますが、何もありません。
どうした?と話しかけると尻尾を振りながら力強く吠えます。
ここ最近吠えることも殆ど無かったので驚いていると、今度は飛び跳ねて戯れてきます。
子供の様子も心配だった為、それ程深く考えることなく軽く遊んでいると、ふと、こうやって遊ぶの久しぶりだなと気づきました。
いつになく元気で、まるで数年前に戻った気がしました。
それはそれで嬉しく、子供にもシーズ も元気になったから、「風邪を早く治して一緒に散歩行こうな。」と約束もしました。
中治り現象
ちょくちょく様子を見に行くのですがその日の午後から夜遅くまで元気だったので、次の日のグッタリした姿をみると「昨日のは何だったんだろう。」と不思議な気分でした。
その日の夜、再び熱が上がった子供の側でそのまま寝てしまい、朝方、嘘のように熱が下がり、元気になった子供に起こされました。
昨夜与えたドックフードを片付けようと側によると、いつもは眼を開けて私を確認してくれる作業を今日はしてくれません。
また餌も殆ど手付かずです。
先日のように元気になっていれば散歩に連れて行こうと頭を撫でてみましたが反応がありません。
またほんのり冷たく感じました。
まさか!と身体を揺さぶりましたが眼を開けてくれません。
動物病院へ連絡し、その後の処置を相談しましたが、その後はもう殆ど覚えてません。
シーズが旅立っていきました。
しばらくは涙も出ませんでしたが、ドタバタで何とか最期を送ってあげる事ができたと思います。
この事をペット葬儀の方に話すと、身代わりになるようなタイミングであったり、「お迎え現象」とも取れるような話を聞いたことがあるようです。
また、なくなる前、急に元気になることを「中治り現象」というそうで、看護師をしている人からこの名前を聞き、人間だけでなく「動物にもある現象なんだな」と思いました。
そういった話を聞いて、シーズも子供の身代わりになってくれたのかなと思えるようになりましたし、壁をずっと見ていたのは何かお迎え現象を感じてたのかなとも思えます。
コメント