2025年6月、英国バーミンガムで開催された「Back to the Beginning」は、Black Sabbathにとっての原点回帰であり、ロック史における“最終章”だった。そして、同年7月22日、世界はロックの帝王オジー・オズボーンを失う。公演からわずか1か月と経たないうちに。

終幕ではなく、原点への回帰
2025年7月5日、地元バーミンガムのヴィラ・パークにて開催された「Back to the Beginning」は、Black Sabbathとオジー・オズボーンが歩んだ歴史への堂々たる“帰郷”。オリジナルメンバー全員が20年ぶりにステージに立ち、観衆45,000人と同時に5.8 百万人の視聴者がその瞬間を目撃した。歴史的重みと圧倒的なスケールが、ロック文化の一大祭典を演出した
「Back to the Beginning」は、Black Sabbathの地元バーミンガムで行われた一夜限りのチャリティーライブ。メンバー自らが“始まりの地に戻る”という意図を込めたタイトル通り、ブラックサバスとしての公演はこれが最後と宣言されていた。
本イベントは、オジーの健康問題と高齢化により延期され続けてきたライブ活動の集大成であり、収益の一部はパーキンソン病研究とメンタルヘルス支援に寄付された。
公演概要:「Back to the Beginning」で果たした使命
- 開催日時・場所:2025年7月5日、ヴィラ・パーク(Aston, Birmingham)にて。
Black Sabbath結成の地。 - オリジナルラインナップ再集結:オジー、トニー・アイオミ、ギーザー・バトラー、ビル・ワードが揃い、20年ぶりの共演を果たした。
- 音楽監督:トム・モレロ(Rage Against the Machine)が全体演出を統括。彼は「最高のヘヴィメタルショーになる」と語った。
- チャリティ収益:£140 M(約190Mドル相当)がCure Parkinson’s、Birmingham Children’s Hospital、Acorns Children’s Hospiceに寄付された。
- チケット&配信:45,000枚のチケットが16分で完売。PPV配信では最大5.8M同時視聴者を記録。
チケットは即日完売
「back to the beginning チケット」はプレミア化し、数時間で売り切れ。転売市場では数十万円に達したほど。世界中のファンがバーミンガムに集い、まさに“巡礼”の様相を呈した。
セットリストと出演メンバー詳細

セットリスト(抜粋)
オジーオズボーン
・I Don’t Know
・ Mr. Crowley
・Suicide Solution
・Mama, I’m Coming Home
・Crazy Train
ブラックサバス
・War Pigs
・N.I.B.
・Iron Man
・Paranoid
出演メンバー
Ozzy Osbourne
- オジー・オズボーン(ボーカル)
- ザック・ワイルド(ギター)
- マイク・アイネズ(ベース)
- トミー・クルフェトス(ドラムス)
- アダム・ウェイクマン(キーボード)
Black Sabbath
- オジー・オズボーン(ボーカル)
- トニー・アイオミ(ギター)
- ギーザー・バトラー(ベース)
- ビル・ワード(ドラムス)
タイムテーブルと構成
開場 16:00/開演 18:00/終演 22:30
- 18:00〜 オープニング映像(Black Sabbath結成からの軌跡)
- 18:30〜 第一部(1970年代の代表曲)
- 19:30〜 第二部(オジーのソロ曲中心)
- 21:00〜 アンコールセッション
- 21:45〜 ファイナルスピーチと花火
オジー・オズボーンの死:いつ、どう迎えたのか?
2025年7月22日、オジー・オズボーンがロサンゼルスの自宅で安らかに息を引き取った。享年76歳。死因は長年の持病であるパーキンソン病および併発する肺疾患とされているが公表はされていない。最後の公演を全うしたその精神力に、世界中が涙した。

音楽業界に影響を与え続けた夫妻:オジーとシャロン
オジーの栄光の裏には、マネージャーであり妻でもあるシャロン・オズボーンの存在があり、彼女無くしてオジーの成功はなかったのではと言われている。
- シャロンは「Ozzfest」を立ち上げ、数多くの新人バンドを発掘。
- オジーのビジネス再起を支え、メディア露出戦略を成功させた。2002年のMTVのリアリティ番組『オズボーンズ』で世界的な人気を獲得
- 最後までオジーのツアーを仕切り、命を削って音楽を守った。
映像化と配信情報
- 映画タイトル:「Back to the Beginning: Ozzy’s Final Bow」(予定)
- 公開予定:2026年初頭
- 配信プラットフォーム:未定(Veeps, Prime Video などと報道あり)
- back to the beginning 配信 チケット:ライブの模様+ドキュメント映像を収録した限定配信パス販売済
- back to the beginning 配信 いつまで:日本時間の2025年7月7日23時まで
世界中のファンが受け取った“最後のメッセージ”
ライブの最後、オジーはこう叫んだ。
“Thanks for 50 years of madness. I love you all. This is not the end—it’s the beginning.”
この言葉は、彼が最後まで“Prince of Darkness”として生き抜いた証明であり、ロックが終わらないことを教えてくれた。
最後に
オジー・オズボーンは逝った。だが、その声、その叫び、その狂気は永遠だ。
「Back to the Beginning」は、終わりではなく、新たな神話の幕開けだったのだ。