![ギター画像](https://bk-sheep-guitar.com/wp-content/uploads/2019/07/IMG_1715-e1569635113134.jpg)
自宅に残っているギターを引っ張り出してみるとノイズが多く使えそうにありません。
原因を突き止めている時間がないので馴染みの楽器店を覗いてみました。そこでフェンダージャパンを数本試してみました。
そこでフェンダージャパンが2015年に生産を終了していたことを知ります。
下記にはフジゲン製造時代の資料を載せています。是非画像だけでも見ていってください。
誕生のきっかけ
今回は旧フェンダージャパンに焦点を当ててみます。
「フェンダージャパン」ブランドが誕生したのは1982年ですが、生産は富士弦楽器製造(フジゲン)がおこなっていたのは有名な話でした。
誕生のきっかけは業績不振に苦しんでいたアメリカのフェンダー社が当時コピーモデルで有名になっていたフジゲンと販売の神田商会が組むことにより合法的なブランド展開を構築します。
実は当時コピー問題でギブソンから訴訟を起こされていたこともあり、より精度の高いギター制作と「海賊版という汚名」から脱却したい気持ちが一致することとなったのです。
このブランドは2015年4月の代理店変更によるライセンス失効まで続きます。
![カタログ画像](https://bk-sheep-guitar.com/wp-content/uploads/2019/10/エクストラッドカタログ-600x800.jpg)
フェンダージャパンは初心者向け?
![エクストラッドシリーズ](https://bk-sheep-guitar.com/wp-content/uploads/2019/10/IMG_1723-e1572273382823-300x236.jpg)
フェンダージャパン製の評価が低く見られる理由は何でしょうか
分かりやすい理由としては
①ブランド
本家USA製と低価格帯の製造と言う位置付けでスタートしたフェンダージャパン。
②材質
特にボディー材に違いが出ます。
USA製の場合はアッシュ材、アルダー材を使用していますが、日本製にはバスウッドという木材が使われていました。
バスウッドは音に目立った特徴がないと言われています。
裏を返せばアンプ特性やエフェクターでの加工がしやすいということでもあり、
多くのギターブランドでも採用されています。
エディ・ヴァン・ヘイレンの90年代のメインギターで有名なアーニーボール/ミュージックマン製のシグネチャーモデルもボディバック材はバスウッドが使われていました。
③価格
これは①に近いのですが、高価なUSA製と数万円の日本製(特に日本では価格で価値が分かりやすくなっており、メーカー希望小売価格が分かりやすくモデル品番に暗号化されたモデル名も多い)
本家の「良い材料を大らかな気持ちで作成する」のと、日本製の「材料の質は落ちるが緻密な計算のもと製作されている」と言ったところでしょうか。
もちろん輸入関税、為替の関係もあります。
近年はフェンダーのメキシコ製が多く出回っています。
プロ仕様のものやオーダーメイドも存在
![カタログ](https://bk-sheep-guitar.com/wp-content/uploads/2019/10/IMG_1725-e1570092353180.jpg)
Fender Japan EXTRAD
しかし、1986年ごろからフェンダージャパンは、EXTRAD、カスタムエディションと言うワンランク上の品質を目指し、これまで培ってきた技術力を集結し、本家に負けないギターを作成します。
当然ですが、フェンダージャパンのレギュラーラインの価格はブランド価値、輸入諸経費で割高感があるUSA製に比べて手に入れやすい価格だったため即完売ということもあったようです。
ブランドだけでなく、品質の良さが分かる人にとっては「お宝」だったのです。
材料も海外から良質なものを調達し生産していたということで、例えばネック材のメイプルなどはフレイム、バーズアイのネックが多く使われていました。
カタログに載っているもの以外にもオーダーメイドに対応したものも多いようです。
一部で有名ミュージシャンのシグネチャーモデルも生産していました。
フェンダージャパンシグネチャーモデル
![カタログ](https://bk-sheep-guitar.com/wp-content/uploads/2019/10/IMG_1727-e1570849958613.jpg)
・リッチー・コッツェンモデル
ストラトキャスターとテレキャスターが発売されており、ディマジオピックアップ、ネックが太めに仕上げられている。
・イングヴェイ・マルムスティーンモデル
本人もライブ、レコーディングで使用しています。カタログではボディがバスウッドになっていますが本人使用のモデルが同じかどうかは定かではありません。
メインギターとして使用していた時期もあり、サブギターをUSA製と言ったラインナップもありました。
・リッチー・サンボラ
特徴的な「星形」インレイ、フロイドローズ、S-S-Hのピックアップレイアウトでひときわ目立っていました。
![ギター画像](https://bk-sheep-guitar.com/wp-content/uploads/2019/10/IMG_1724-e1570964755573.jpg)
海外での人気ぶり
Nirvanaのカート・コバーンなど海外アーティストの使用で注目されたことも一因ですが、コレクターにも注目されています。
ジャパンカスタムエディションだけでなく1980年代製造のものが造りが良いと人気です。
また、これらのアッセンブリをUSA製に替えると音質が向上します。(カスタムエディションのパーツはUSA製が多いようです)
インターネットに掲載した日本製ギターの写真に海外からオファーが来るという話もよく聞きます。
実際にブログに掲載しているギターの問い合わせが海外からもメールが届いています。
ヴィンテージギターの価格が高くなりすぎたため、また良質な木材が少なくなっていることからも「Made in Japan」製に目が向けられているのかもしれません。
フェンダーUSAのCUSTAM SHOP製の中でも有名ビルダーの製作したギターは価格が上がっているようです。
このようなことから、数年後には日本でも「Made in Japan」製が一目置かれる存在になるかもしれません。
![ギターロゴ](https://bk-sheep-guitar.com/wp-content/uploads/2019/07/IMG_1717.jpg)