Gibson Les Paul Classic 発売は1990年

ヴィンテージギターの代表格、オリジナルのレスポールは1958年から1960年までの僅か3年間で製造されたものを指します。
一説では1700本程度の生産本数と言われています。
偽造されたものも数多くあると言われています。
製造過程でのシリアルナンバーなどはスタンプで押されたものですので、消えていたり、判読不明になっているものも多いようです。
日本円で数千万円するヴィンテージギターに偽物が多く含まれているなんて・・・
骨董品や絵画の贋作同様、ある程度の知識と覚悟も必要になります。
レスポールクラシックはその中でも1960年製の特徴であるスリムネックを再現したモデルです。
手の小さい人や太いネックに違和感を感じる人には、大変気になるニュースでした。
発売開始の1990年は80年代からのテクニカルなギタープレイの影響でジャクソン、アイバニーズに代表されるようにスリムネックでジャンボフレットの仕様が多くなっていました。
こういった状況が関係しているかは不明ですが、私も友人のレスポールカスタムの太いネックに違和感を感じていたため、このスリムなネックは私の手にも馴染んだのです。
当時の価格や評価と人気、90年代のGibsonの品質は?

当時の販売価格はクラシック25万8千円でした。
レスポールカスタムが26万円、スタンダードが23万円の時代でした。
グレードと位置付けも価格相応といったところでしょう。
あまりパーツに関しては深く考えてなかったのですが、クラシックはよりビンテージスペックに近いニッケルパーツ、スタンダードはクロームパーツと区別されていました。
音とネックのフィーリングが気に入ったのが一番ですが、カスタムは同じバンドのボーカルが使っていたこと、スタンダードは周りのバンド仲間が使用しているのが多かったので差別化できるとも思いました。
私にとっても初めてのGibsonでしたので、楽器店を何軒も回って決めましたが、その中で見た瞬間に「これっ!」と思う本機と出会いました。
さすがに当時の最高峰でした「リイシュー」は周りに使用している人はいませんでしたが、雰囲気も別格で正直、10代の私には違いは分かりませんでした。
カスタムショップもまだ発足する前でしたし、かなり高価なため、試奏すらしてませんが倍くらいの価格で、いつかは・・・と思ったものです。
ピックアップの特性でもあると思いますが、当時のハイゲインアンプとの相性が良く、低音がタイトで程よくパワーがある音が特徴です。
購入した後に同モデルを使用しているギタリストは、ジョン・ノーラム(ヨーロッパ)、スティーブ・スティーブンス(ヴィンス・ニール・バンド)、ルーク・モーリー(サンダー)をはじめ、数多くのギタリストに使用されていました。
他には、ガンズアンドローゼズのスラッシュやフランク・ザッパの息子、ドゥィージル・ザッパのコレクションにも載っていたように思います。
このように多くの一流ミュージシャンにも愛用者が多く、信頼性の高いモデルだったことは間違いありません。
30年が経過した現在の評価
購入から年数ばかりが過ぎ、殆ど弾かない時期もありましたが、上の写真をみるとかなりきれいなのですが、近くで見ると経年劣化による「ウエザーチェック」が入っていますし、このモデル特有のヘッドロゴ部分の塗装浮きが出てきています。
どちらかというと貫禄が出てきた状態です。
e-Beyなどで10年以上前に見た価格では当時の定価ほどの価格が付いていましたが現在では見かけなくなりました。
近年復活したクラシックとは別物になった感じがあり、試奏して気になったのは指板のローズウッドがパサパサした感じでタッチが変わったような感じがしました。
産地が変わったのか、色味も赤茶色に近く、見た目も締まった感じがありませんね。
「ローズウッド指盤は黒に近いものを選べ」と言われますが、ここまで変わってしまうと別の木材なのでは?と思ってしまいます。
ブラジリアンローズウッドはワシントン条約の対象となっていると聞いたことがありますが、現在ではローズウッド全体が対象となっているかもしれません。
個体のコンデション

シリアルナンバー以外、製造年月日を調べる方法は知りませんでしたが、リアピックアップのキャビティ内に製造年月日が記載されているモデルもあると聞き、早速開けてみました。
すると「JUL 12 1990」とスタンプが押されていました。
1990年7月12日製造で、
ちなみにフロント側のPUキャビティには、「HCSB」と手書きの「Belly」?と読める文字があります。
カラーは「ヘリテイジ・チェリーサンバースト」、「Belly」なる人物の作だと思われます。

また、フレット、ナットもまだまだ余裕があるため購入時のままです。
今までネックの調整をしたことがないくらいコンディションが良く、弦高を低めにセッティングしてもビビりはありません。
ポット類もガリがなく、いつでもステージで使えますが、重い!
ストラトに慣れてしまうと、この重さとバランスは違和感があります。

購入当時、気になったのが、「Gibson」ロゴの部分がスタンダードのそれと微妙に色などが違うのです。
スリムなヘッドにこの金色に輝くロゴは90年代初頭は少々ケバく感じたものです。
スタンダードはもっとシルバーに近い色のロゴだったため、この金色感は当時かなり目立っていました。
また、中心部の「Les Paul」下の「MODEL」デカールは初期生産モデルの証です。
変更パーツ
基本的にはストックのままですが、まずは変更点から。
チューンOマチックを他社製の同様タイプに交換しています。
オリジナルのものは(各弦のサドルを抑えるための)ワイヤー部分で共振が起こるのですが、楽器店で勧められたメーカーもモデル名も忘れましたがオリジナルと同様のタイプに交換しています。
ピックアップをマウントするエスカッションが割れてしまうため、割れる度に純正品に交換しています。
もしかしたらボディのアーチ部分がキツめなのかもしれません。
あとはストラップピンをシャーラー製
以上です。
ピックアップがカバードタイプになっていますが、これはオリジナルのピックアップ、496R、500Tにそれぞれピックアップのカバーを取り付けただけです。
実は購入した後にピックアップを交換しようと思っていたのですが、ピックアップのカバーを外すと音がラウドになるという記事を見たことから、その逆の発想でカバーを付けたら音がどう変わるか試してみたくなり、試したところ少しコモリ気味ではあるもののその音が気に入ったためそのままにしています。
写真には載ってない”1960”ピックガードですが、購入したその日に外して保管しています。
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