彗星のごとく現れたスウェーデン生まれのギタリストがアメリカに渡り成功を収めますが、当時はまだアナログ全盛で、デジタル機材がチラホラ出始めたころ。
1990年頃になるとデジタル技術はかなり進化し、デジタル機器もプロでなくても手が届く機材が増えたころです。
そんな時代のトッププロがチョイスする機材を探っていきます。
ワイヤレスシステム
この当時、ギターのワイヤレスシステムはSAMSON製のものを使用。
ギター側に付けるトランスミッターはスポンジで包み銀色のテープで保護していました。
ボブ・ブラッドショウシステム
この時代を代表する「ボブ・ブラッドショウ」デザインのシステムが組まれている。 Custom Audio Electronics というブランドでも有名ですね。
ハードロック系のギタリスト達はこのシステムを使用していることが多く、このシステムを使用できるのもある種「ステータス」になっていました。
基本的にはラックマウントのエフェクター類のオン/オフと4つのプリセットをコントロールできるようになっています。
ラックの中身
コルグのデジタル・ディレイSDD-1000を2台(これはプリアンプとしても使用している)とSDD-1200(コーラス用)をセッティング。
予備としてSDD-2000が用意されている。
デジタル・ヴォイス・プロセッサーDVP-1もセットされていますが、ギターソロ用に使用するための機材のようです。
その他に確認できるものは、FURMANのPL-8は暗いステージ上でも便利なパワーコンディショナー&ライト。
ロックトロン「HUSH ⅡC」はラックシステムには欠かせないノイズリダクション。
ラックシステムの上にはDOD オーバードライブ&プリアンプ/250がセットされており、アンプでの歪みの補助として使用しているのでしょう。
ちなみにこの頃使用しているのは、「グレイボディー」タイプではなく、「イエローボディー」のタイプが確認できますが、第2世代(80年代モデル)なのかそれ以降のリイシューモデルかは分かりません。
ステージ上のセッティング
JIM DUNLOP 41C YNGWIE MALMSTEEN WH 2.00×12枚
アナログ・ディレイDC-10
「アルカトラス」での来日時から使用している、ローランド製の”名器”ですがデジタル全盛の時代に「テープ式」にしか出せない特別な効果として、ギターソロで効果音的に使用している映像も残っています。
ペダル・シンセサイザー タウラス(ムーグ製)
これも古いモデルですが独特なサウンドが出せることから、当時の「ギターソロタイム」でよく演奏していた「ヴァイオリン奏法」で使用しているのを映像で確認することができます。
クライベイビー Wah
ジムダンロップ製のWahペダルはストックのままのようです。
マーシャル50W MarkⅡ
お馴染みのマーシャルアンプ50Wヘッドを3台使用。
メインで使用しているのは”MarkⅡ”の中でも初期の3ピン・スイッチ・モデル。
残り2台は2ピン・スイッチ・モデルのMarkⅡで3台ともにマーシャルアンプを使う人なら知っている”リンク”させて使用しています。
”リンク”とは?
ギターのレベルに合わせてチャンネルⅠのハイとロー、チャンネルⅡのハイとローと言う4つのインプットが付いたモデルのⅠのローとⅡのハイをリンク(ケーブルでつなぐ)させることで音圧が増し、太い音が出るようになることを、先人によって発見され、広まりました。
アンプヘッド裏側の蓋が解放されており、スイッチなどが増設されているように見えますが、詳細は分かりません。
本人も「真空管以外手を加えてない」と言っていますので手に入れた時からの状態かもしれません。
キャビネットの方は裏蓋が閉じられていますので確認はできませんが、セレッションのままではないかと思われます。