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イングヴェイ・マルムスティーンの脱力ピッキング技術完全ガイド|使用ピック・弦・セッティングの全て

イングヴェイコレクション ギター、音楽
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イングヴェイマルムスティーンのピック
90年代初頭イングヴェイ使用ピック:著者所有

イングヴェイのフィンガリングテクニックに注目しがちですが、右手のピッキングに彼の特徴があります。そんなピッキングテクニックにクローズアップしています。

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ネオクラシカルギタリスト 速弾きの原点

イングヴェイ・マルムスティーンのピッキング技術は、ネオクラシカルメタルの基礎を築いた革命的なテクニックです。本記事では、彼の使用機材の詳細仕様から、脱力ピッキングの核心まで、実際のライブ観覧経験、膨大な映像資料を観てきたギター歴30年以上の知見を基に解説します。

関連記事ハードロックギタリスト使用機材データベースでは、イングヴェイを含む伝説的ギタリストの機材情報を年代別に網羅しています。

世界中を驚嘆させたギターヒーローはスウェーデンからやってきました。
シュラプネル・レコーズの創始者マイク・バーニーに発掘され渡米し革命を起こします。
各所に現れるセンスの良さこのスウェーデン時代に彼の音楽スタイルは完成されていました。
速弾きにのみ注目されがちですが、緩急をつけたフレーズ、作曲の緻密さ、メロディーセンスとアピールポイントは盛りだくさんです。
特に初期の作品で聞くことのできるストラトキャスターのトーンが非常に素晴らしく、80年代初頭は「シングルコイル」のイングヴェイ、
「ハムバッカー」のエディー・ヴァンヘイレンと言われていました。

イングヴェイ使用ピック・弦の詳細仕様

使用ピックの形状と素材

項目詳細仕様
現行モデルFender Yngwie Malmsteen シグネチャーピック
以前の使用品Jim Dunlop Heavy(2mm)
形状ティアドロップ型
素材デルリン(Delrin)
厚さ約2.0mm

ピック選びのポイント

  • 厚めのピックで弦への攻撃力を確保
  • デルリン素材による滑らかなアタック感
  • 脱力ピッキングには硬質ピックが不可欠

使用弦のゲージと特徴

Fender Yngwie Malmsteen シグネチャー弦(スーパーライト)

ゲージ特徴
1弦.008極細ゲージで高速ピッキングに最適
2弦.011チョーキングが容易
3弦.014クリアなトーン
4弦.022バランスの良いテンション
5弦.032パワーコードに最適
6弦.046低音の明瞭性

過去の使用弦

  • 1990年代:Ernie Ball(.008-.046)
  • 代替品:D’Addario XL(.009-.046)も同様のサウンド特性

弦ゲージ選択の理由: .008という極細ゲージは、速弾きにおける弦の抵抗を最小限に抑えます。ただし、チョーキング時には切弦のリスクがあるため、適切なピックアップ高さ調整が重要です。


脱力ピッキング技術の核心

ピッキングフォームの特徴

イングヴェイのピッキングは「無駄のない、軽いピッキング」が特徴です。

技術的ポイント

  1. 力みのないグリップ:ピックを軽く保持し、弦への接触は最小限
  2. 角度調整:高音弦と低音弦でピックの当て角を微調整
  3. 手首の脱力:前腕の回転運動を活用
  4. フルピッキング重視:初期作品では速弾きもすべてフルピッキング

ピッキング角度の使い分け

弦の位置ピック角度効果
高音弦(1-3弦)やや寝かせるクリアなトーン確保
低音弦(4-6弦)やや立てるパワー感の向上

スウィープ奏法の活用

イングヴェイを語る上で欠かせないのがスウィープ(Sweep)奏法です。

スウィープ奏法とは

  • 複数弦を「掃くような」動作で演奏
  • アルペジオを高速化した技術
  • 縦方向の上昇・下降フレーズに最適

エコノミーピッキングとの違い: スウィープは複数弦を一度に処理するため、エコノミーピッキングよりもさらに効率的。ただし、各音の明瞭性を保つには高度な左手のコントロールが必要です。


ピックアップ高さとセッティング

スキャロップ加工の影響

イングヴェイのトレードマーク「スキャロップ(scalloped)指板」は、ピッキングと密接に関係しています。

スキャロップ加工の特徴

  • フレット間の指板を削り込んだ仕様
  • 軽いタッチで音が出る
  • 押弦が強すぎると音程がシャープする

推奨セッティング

  1. ピックアップ高さ:スキャロップ仕様では、通常より1-2mm低めに設定
  2. 弦高:低めの設定で弦振動を最適化
  3. フレット:ジャンボフレット(高さ約1.4mm)

音作りのポイント

アンプセッティングの基本

  • ゲイン:中程度(歪ませすぎない)
  • トレブル:やや高め(7-8)
  • ミドル:控えめ(4-5)
  • ベース:中程度(5-6)

エフェクター繋ぎ方(詳細は1990年代機材記事参照): ギター → オーバードライブ → ディストーション → コーラス → ディレイ → アンプ


事故後のスタイル変化

1987年の交通事故とその影響

1987年、ジャガー・タイプEでの交通事故により、イングヴェイは右手に後遺症を負いました。

事故後の変化

  • ピッキングスタイルが若干変化
  • レガート奏法の使用頻度が増加
  • 音質がよりラウドに変化
  • 初期の繊細さが減少

本人のコメント: 「以前のようには弾けなくなった」と語っていますが、後に「完全復活」を宣言。ただし、プレイスタイルは確実に変化しました。


初期3部作の魅力

黄金期のサウンド特性

イングヴェイの魅力が最も凝縮されているのが初期3部作です。

アルバム発売年サウンド特徴
Rising Force1984クリアで繊細なピッキング
Marching Out1985ナチュラルなオーバードライブ
Trilogy1986完成されたネオクラシカルスタイル

初期作品の特徴

  1. アマチュア時代の楽曲を多数収録
  2. フルピッキングによるクリアな音質
  3. 真空管アンプのナチュラルなトーン
  4. 誤魔化しのないプレイ

YouTubeでは、これらアルバム収録曲のデモバージョンも視聴可能で、既にスタイルが完成していたことが確認できます。


左手の押弦テクニック

軽やかな押弦の秘密

イングヴェイのテクニックは、右手だけでなく左手も「脱力」が基本です。

スキャロップ指板での押弦

  • 通常のギターのように「しっかり」押さえると音がシャープ
  • 指先だけで軽く触れる程度の圧力
  • ジャンボフレットとの相乗効果

ヴィンテージギターでの試奏事例: 楽器店での試奏ビデオでは、ノーマル指板・低いフレット・JCMアンプという標準的な環境でも、明らかに「イングヴェイの音」が確認できます。これは、音が手から生まれることの証明です。


セッティング実践ガイド

ピックアップ高さ調整の手順

  1. 基本高さの設定
    • ネック側PU:弦から約3mm
    • ブリッジ側PU:弦から約2mm
  2. 微調整のポイント
    • 高すぎる:弦との磁力干渉でサスティンが減少
    • 低すぎる:出力不足、音痩せ
  3. スキャロップ仕様の場合
    • 全体的に0.5-1mm低めに設定
    • 各弦バランスを耳で確認

弦交換時の注意点

.008ゲージ使用時の注意

  • チョーキングで切れやすい
  • ナット溝が広いと音詰まりの原因
  • ペグの巻き数は2-3回転程度
フェンダージャパン製イングヴェイモデル
日本製イングヴェイモデルカタログ(90年代)

ライジングフォース、マーチングアウト、トリロジー:個人的には初期3部作が好み

「ライジングフォース」「マーチングアウト」「トリロジー」の3作品ですが、この3枚にイングヴェイの魅力がすべて詰まっているといってもいいくらいです。

これらの作品にはアマチュア時代に作曲した楽曲も多く、YouTubeなどではデモバージョンなどを聞くことができますが、既に現在のスタイルが確立しています。

クリアで繊細なピッキングが心地よく、ナチュラルなオーバードライブ音は後の作品では変化してしまいます。

ストラトキャスター ギターヘッド

よくある質問(FAQ)

Q: イングヴェイのピッキング速度を再現するには? A: 脱力が最重要です。力を入れれば入れるほど速度は落ちます。メトロノームで60BPMから始め、完璧にクリーンに弾けるまで速度を上げないことが成功の鍵です。

Q: スキャロップ加工は必須ですか? A: 必須ではありません。ヴィンテージギターでの試奏動画が示すように、イングヴェイの音は手から生まれます。スキャロップは演奏の補助であり、本質ではありません。

Q: 初心者におすすめの練習フレーズは? A: 「Black Star」のイントロや「Far Beyond the Sun」の主旋律が最適です。スウィープよりも先に、基本的なオルタネイトピッキングの習得を優先しましょう。


まとめ:イングヴェイサウンド再現のポイント

イングヴェイ・マルムスティーンのピッキング技術をマスターするための要点:

  1. .008ゲージ弦と2mmピックの組み合わせ
  2. 脱力した軽いピッキングフォーム
  3. ピックアップ高さの適切な調整
  4. スウィープ奏法の段階的習得
  5. 初期3部作の徹底研究

機材だけでなく、「力を抜く」という概念の理解が、イングヴェイサウンドへの最短距離です。


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筆者プロフィール: 90年代にライブハウスツアーを経験したギタリスト。イングヴェイのライブを5回観覧し、30年以上にわたり機材研究を継続。実践に基づいた情報提供を信条としています。

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