マイケル・シェンカー黄金期のギター機材
現在ではDEAN製のフライングVを使用していますが、それまでの長い間使用していたGibson製フライングVはエンドース契約をしていなかった(自身で購入した物)というのがまず驚かされます。
Gibson製を使用していた当時、ギターを破壊する事があり、それがエンドース契約の妨げになったのではないかという話は有名です。
本人も90年代に入りブロックインレイのコピーモデル(パフォーマンス社製のモデルを使用していた時期もあったようです。
古くはアリアプロ2、グレコ、バーニー(フェルナンデス)からもコピーモデルが発売されていました。
メインギター(89年ごろ)
長らくメインで使用していたブロックインレイのモデルは、ごく一部のオーダー品として大変珍しいモデルとなっています。
ドット・インレイに比べてブロック・インレイは見た目も豪華でネックサイドのバインディングも手伝ってゴージャスな仕上がりとなっています。
マイケルの使用している個体は、ネックとボディのつなぎ目、ネックのナット裏、ヘッド折れの補修跡が痛々しく残っています。
「BUILT TO DESTROY/限りなき戦い」のアルバムジャケットで破壊の瞬間が見えます。
年代は諸説あり、76年、79年、80年となっています。(79年製が濃厚のようです。)
このギターはMSG(マイケルシェンカーグループ)の頃から見かけるようになります。
長い間サブギターという扱いでしたが、87年のMSG(マッコリーシェンカーグループ)辺りからメインとして使われるようになります。
初期の頃に取り付けられていたスチール製の各弦の高さ調整ができるナットからノーマルのナットに変更されています。
ネックのサイドにはバインディングが施されていますので、他のVと比べて豪華なイメージがあります。
見た目としては2Vo.1Toのコントロールノブがストラト用の物に変わっています。
ピックアップは色んな物を試していたようですが、リアがダンカンのカスタムSH-5、フロントはギブソンの60年代中期のオリジナルが使われている。
また、ピックアップもオリジナルのピックガード吊り下げではなく、エスカッションをピックガード上で固定しています。
ピックガードの上にエスカッションを取り付ける利点は・・・サウンドがタイトになると聞いたことがありますが、サウンドをタイトにしたいならボディー直付けの方が良いのでは?
ボディー直付けと比べてどうなのか?・・・見た目とサウンドが気に入ったのでしょう。
ピックアップカバーも外されるなどのモディファイもその後の定番となります。
ペグもシャーラーに変えています。
サブギター#1
ヘッドの形状が丸く、18fでのジョイントということから、75年製と思われます。
またピックガードのコントロールノブ付近の割れ、テールピースのスタッド部分にまでかかる(大きめの)ピックガードからして、以前ヘッドが折れた時、鉄板で補修していた個体です。
一時期リアピックアップにEMG81をセットしていた様ですが、その後ダンカン・カスタム(SH-5)に替えられ、エスカッションマウント。
ペグもシャーラーに取り替えられている。
白黒ペイントされる前はマホガニーレッドのカラーリングでUFOなどでも活躍していた個体です。
サブギター#2
71年に発売された通称メダリオン。
白く塗られたメダル部分のシリアルナンバーは56という初期モデルなので、生産は70年製の可能性もあります。
350本の限定生産の希少性と、50年代のオリジナルV、60年代のVとも違う派生モデルとして人気のあるモデルです。
この個体は白黒のカラーリングとピックアップのエスカッション以外はオリジナルのようで、ピックアップはギブソンオリジナルの金属カバーを外しただけの様です。
コントロールノブもオリジナル、ペグもオリジナル2コブ仕様の樹脂製ツマミのクルーソンのままです。
このギターはUFOに加入する前のスコーピオンズ時代に入手したもので、長く愛用されます。
アンプとエフェクター
アンプとエフェクター
アンプに関しては、初期スコーピオンズの頃はレスポールに100wマーシャルと言う組み合わせでしたが、フライングVを使う様になって、50wマーシャルを使う様になっています。
オールドの50wマーシャル、JCM800シリーズ50W、ソルダーノを好んで使い分けている様です。
一時期、トランジスタ・アンプのギャリエン・クリューガーを使っていた事もある様です。
エフェクターはWahペダルのクライ・ベイビーのみでワイヤレスシステムも使用していません。
ステージ上で長いシールドを使用しています。
この辺りもこだわりの様です。